雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

雇用調整助成金とは

【雇用調整助成金】企業が経済的な理由で従業員を休ませた場合、企業は従業員に過去3か月の平均賃金の6割以上を「休業手当」として支払うよう労働基準法で定められています。休業手当の一部を国が補助するのが雇用調整助成金です。従業員の解雇を防ぎ、雇用維持を図ります。アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが2008年9月15日に経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生したリーマンショックの際にもこの雇用調整助成金で製造業を中心とした多くの企業の従業員の雇用が維持されましたが、今回は他業種(ほぼ全て)の企業の従業員の雇用が維持される助成金です。2020年8月31日までの手続きが必要ですので、まだ、申請されていない方はぜひご検討をお願いします。当事務所でも代行手続きを行っておりますのでお問合せください。

事業主の要件

 新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置では、以下の条件を満たす全ての業種の事業主を対象としています。

  • 新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
  • 最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している(※比較対象とする月についても、柔軟な取り扱いとする特例措置があります)
  • 労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている

労働者の要件

事業主に雇用された雇用保険被保険者に対する休業手当などが、「雇用調整助成金」の助成対象です。
学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当は、「緊急雇用安定助成金」の助成対象となります。(雇用調整助成金と同様に申請できます)

助成額・助成率・支給限度日数

(平均賃金額※ × 休業手当等の支払率)× 下表の助成率 

ただし、1人1日15,000円が上限

※平均賃金額の算定は小規模の事業所(概ね20人以下)は簡略化する特例措置が実施されています

区分大企業の助成率中小企業の助成率 ※1
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主2/34/5
解雇をしていないなどの上乗せの要件を満たす事業主3/410/10

※1 中小企業とは、以下の要件に該当する企業をいいます

  • 小売業(飲食店を含む): 資本金5,000 万円以下 または従業員 50 人以下
  • サービス業: 資本金5,000 万円以下 または従業員 100 人以下
  • 卸売業: 資本金1億円以下 または従業員 100 人以下
  • その他の業種: 資本金3億円以下 または従業員 300 人以下

本助成金の支給限度日数は原則として1年間で100日分、3年で150日分ですが、緊急対応期間中(令和2年4月1日~令和2年9月30日)に実施した休業などは、この支給限度日数とは別に支給を受けることができます。

支給までの流れ

労使協定
休業等の具体的な内容を検討し、労使間で休業に係る協定を締結します。
休業等の実施
休業等を実施します。
支給申請
休業等の実績に基づき、支給申請をします。
※「支給対象期間」ごとに申請します。支給期限は支給対象期間の末日の翌日から2カ月以内です。
※支給対象期間の初日が5/31以前の休業等について申請するときは、申請期限はR2/8/31です。
労働局の審査
支給申請の内容について労働局で審査が行われます。
支給決定
支給決済額が振り込まれます。

緊急対応期間中の特例として「計画届」の提出を不要としています。

申請手続き

雇用調整助成金の申請手続は、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークで受け付けています。郵送での申請も受け付けています。

提出書類については簡略化となり、下記となっております

  • 比較した月(提出月の前月と前年同月)の売上などがわかる書類 (売上簿、レジの月次集計、収入簿など
  • 休業させた日や時間がわかる書類 (タイムカード、出勤簿、シフト表など)
  • 休業手当や賃金の額がわかる書類 (給与明細の写しや控え、賃金台帳など)
  • 役員名簿(役員等がいる場合) (性別・生年月日が入っているもの)

■雇用調整助成金について神戸新聞社のインタビューを受けました(2020/04/18)

https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/covid19/202004/0013279027.shtml

(参考)はじめての雇用調整助成金(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/000633288.pdf

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